志位和夫氏の「マルクス本」が共産党の切り札？ 党勢の衰えが隠せない中、若者を振り向かせたいと言うが…

東京新聞
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2025年8月25日 06時00分　有料会員限定記事

7月の参院選で大敗した共産党。党員の高齢化が進み、最近の国政選挙は退潮が続く。そんな中、志位和夫議長が経済学者カール・マルクスの主著「資本論」の入門書を出版した。「社会は変わるし、変えられるという希望を広げたい」と、若者の支持掘り起こしを目指す狙いがありそう。19世紀の歴史的大著を今に伝えることが、党勢反転のきっかけにつながるか。（関口克己）

◆参院選後に「Q＆A　いま『資本論』がおもしろい」を出版

志位氏が8月に出版したのは「Q＆A　いま『資本論』がおもしろい」（新日本出版社）。共産系の青年組織「日本民主青年同盟」が5月に主催した講演で、志位氏が発言した内容に加筆・修正したものだ。

マルクス「資本論」に関する入門書の出版会見を行う共産党の志位和夫議長＝国会内で（関口克己撮影）

志位氏は7月30日に国会内で記者会見して、この本の出版を発表した。「貧困と格差の空前の規模での拡大、気候危機の深刻化など、現代の資本主義の矛盾がいよいよ深くなっている」と世界的な資本主義の現状を分析して、「『資本論』はその疑問に対する説得力のある答えを提起している」とアピールした。

「資本論」については、米国で昨年、新たな英訳本が50年ぶりに刊行されるなど欧米で再び脚光を浴びているという。志位氏は「『資本論』を読むムーブメントを日本でも起こしたい」。

◆国政選挙で2回続けて議席を減らしている

「資本論」をテコに、党勢回復を目指す共産党。ただ、現実は厳しい。

先の参院選で、共産党は改選7議席を上回る8議席を目標としたが、結果は選挙区1、比例代表2の計3議席という大敗。比例代表は650万票を目指したが、得票は286万票。目標の半分にも満たなかった。昨年10月の衆院選でも、公示前の10議席から8議席に減らしており、党勢の退潮は進んでいる。

志位氏は会見で、自民、公明の与党を衆参ともに少数に追い込んだことへの、共産党の「貢献」を強調したが、議席減は「悔し…

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