【少子化の問題に詳しい、学習院大学の鈴木亘教授】「少子化の大きな要因は結婚する人の減少だ、職場などで出会いの機会も減っている、結婚支援こそ、国の少子化対策の肝だ」

去年１年間に生まれた日本人の子どもの数は６８万６０００人あまりと、前の年より４万１０００人あまり減少し、統計を取り始めて以降、初めて７０万人を下回ったことが厚生労働省のまとめでわかりました。

厚生労働省によりますと、去年１年間に国内で生まれた日本人の子どもの数は、６８万６０６１人となり、前の年より４万１２２７人減少しました。

出生数が減少するのは９年連続で、１８９９年に統計を取り始めて以降、初めて７０万人を下回りました。

国立社会保障・人口問題研究所がおととし公表した将来予測では、日本人の出生数が６８万人台になるのは２０３９年と推計していて、想定より１５年ほど早く少子化が進行しています。

【２０代から３０代の若者中心に利用者増える結婚相談所】

「自分に合った人になかなかめぐりあわない」。
そんな若者が出会いの場として結婚相談所を選ぶケースも増えています。

東京・港区の結婚相談所では、２０代から３０代の若者を中心に利用者が増えているといいます。

取材をした日も、事務所で面談を受ける人たちの姿がありました。

このうち都内に住む２８歳の女性は、ことし２月から婚活を開始。

国際支援を行うＮＧＯで働き、将来は海外への赴任を希望していて、その前に子どもを産みたいという考えもあって、結婚相談所に登録したと言います。

女性は、「普段の生活は職場と家の往復で、なかなか出会いがありません。キャリアを優先すると家庭を持つのは難しいという声をよく聞きますが、子どもも産んでキャリアもしっかりと積んでいきたいです」と話していました。

また、都内に住む２７歳の男性は、ことし１月に相談所に登録しました。

コンサルティング会社に勤める男性は、年収およそ５００万円。

以前はマッチングアプリを利用して結婚相手を探していましたが、仕事や生活の価値観などが合う人には、なかなか出会えなかったといいます。

男性は、「自分が若いうちに活動した方が良い人に出会えると思い結婚相談所に登録しました。仕事が忙しいので、タイムパフォーマンスも大切にしたいです」と話していました。

この相談所も加盟する、婚活サービス大手「ＩＢＪ」の報告書によりますと、去年、新規に入会した２０代の会員は５年前に比べて男性は３.３倍あまり、女性はおよそ１.９倍に増えています。

結婚相談所「ナレソメ予備校」の勝倉千尋取締役は、「いまは職場での恋愛も減っていると見られ、３０代になってから婚活を始めたけれど苦労している人の話を聞いて、早めに動かなきゃと意識する２０代が増えていると感じます」と話していました。

【少子化の問題に詳しい専門家 少子化の大きな要因として結婚する人の減少をあげる 】

少子化の問題に詳しい、学習院大学の鈴木亘教授は、出生数が７０万人を下回ったことについて、「想定を上回るペースで少子化が進めば、年金や医療、介護の支え手が減って財政が成り立たなくなる可能性も出てくる。少子化は高齢者の生活にも影響し、全世代の問題として立ち向かわなければならない」と指摘しています。

その上で、「若い人は社会保険料などの増加で、子どもを産むのをためらうほどの負担増の中にいるが、それが増えればさらに厳しい状況に陥る。資産を持つ高齢者などにある程度の負担をしてもらうなど、痛み分けをする発想も必要ではないか」と話しています。

また鈴木教授は少子化の大きな要因として結婚する人の減少を挙げ、「将来への不安を考えると、“交際や結婚をする心の余裕が生まれない”というのが、いまの若者たちの大きな問題だと思う。また職場などで出会いの機会も減っていて、民間の結婚相談所は、費用が掛かるため利用できる人と出来ない人の格差が生まれる懸念もある。結婚支援こそ、国の少子化対策の肝であり、さまざまなツールを活用して若者たちの望みをかなえていく必要がある」と話していました。

出生率 過去最低 止まらない少子化“結婚の減少“も要因｜NHK 茨城県のニュース

【NHK】去年１年間に生まれた日本人の子どもの数は６８万６０００人あまりと、前の年より４万１０００人あまり減少し、統計を取り始めて以降、初めて７０万…

www3.nhk.or.jp

【国立社会保障・人口問題研究所の研究】「少子化の要因の8割は未婚化によるものだ、恋人なし増えている」
https://talk.jp/boards/newsplus/1749023592