北朝鮮『高笑い』 韓国「戒厳」から国民分断 革新政権誕生なら「日米韓」連携困難に

韓国の尹錫悦大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言したのは憲法違反だとして野党側が提出した弾劾訴追案の採決が7日、国会で行われた。保守系与党「国民の力」から8人以上の賛成が必要だったが、与党はほぼ全員が退席。多数のボイコットにより成立要件を満たさず、廃案となった。尹氏は職務を継続する。ただ、戒厳令に対する世論の反発は強く、国政運営の混乱が続くのは確実だ。

　最大野党「共に民主党」の李在明代表は廃案後、尹氏を「必ず弾劾する」と述べ、弾劾訴追案の提出を続ける考えを示した。与党は政権維持に向け、残り2年半の任期短縮など早期退陣を模索するもようだ。

　尹氏は7日午前、戒厳令で国民を不安にさせたとして「心からおわびする」と謝罪する談話を発表。任期を含む今後の政局安定策を国民の力に「一任する」と述べ、任期短縮も受け入れる考えを示唆した。

　だが不信感は鎮まらない。通貨ウォンは急落。首脳外交の日程も白紙になるなど、経済や外交に与えた影響は計り知れない。政権支持率（韓国ギャラップ調べ）は最低の16％に落ち込んだ。与党の韓東勲代表が談話を受け「早期退陣は不可避」と訴えるなど、身内からも辞任圧力が強まっている状況。弾劾を求める国会前の市民らの集会には約15万人が参加。尹氏はまさに「死に体」だ。

　一方、中国と北朝鮮が威圧的な行動を繰り返す中、尹氏の親日姿勢を基に進んだ日米韓3カ国協力は停滞、東アジアを巡る安全保障体制に大きな影響が出そうだ。

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