【米ラッシュ大学医療センター研究】新型コロナが長期化した人は、最初の感染から最大3年間、経済的および雇用上の状況が悪化する、ワクチン接種の有無は、症状の軽減と生活の質の顕著な向上に強く関連している

COVID-19パンデミックの経済的影響は広く研究され、議論され続けていますが、個々の患者にとってのCOVID-19パンデミックによる経済的損失についてはあまり理解されていません。

このギャップを埋めるため、ラッシュ大学医療センターは、INSPIRE（SARS-CoV-2感染症患者のための革新的支援登録）の3,600人以上の参加者からの自己申告データを分析し、職場復帰、仕事の生産性、そして経済的毒性を評価しました。

INSPIRE研究では、 COVID-19が長期化した人は、最初の感染から最大3年間、経済的および雇用上の状況が悪化することが明らかになりました。
特に注目すべきは、COVID-19ワクチン接種が、仕事と経済的な状況の顕著な改善と関連していたことです。

この研究は、「長期化したCOVID-19の成人とそうでない成人における仕事の障害と経済的影響」と題され、 8月12日にJAMA Network Open誌に掲載されました。

INSPIRE は、COVID-19 の長期的な影響をより深く理解することを目指す 8 つの大学医療センターを含む、CDC が資金提供する多施設共同研究です。

「ロングCOVID研究では主に医学的影響に焦点が当てられてきたが、症状が続く人々が直面する持続的な経済的負担も考慮する必要がある」と、ラッシュ大学医療センターの救急医で研究副委員長でもある筆頭著者のマイケル・ゴットリーブ医学博士は述べた。

ゴットリーブ氏と共著者は、何百万人ものアメリカ人が直面している経済的課題をより深く理解することで、職場の方針、障がい者支援システム、医療戦略の改善につながると示唆している。

世界中で報告されている7億7,700万件以上のCOVID-19症例のうち、米国医療研究品質庁がまとめたデータによると、患者の約13%が3か月以上続く症状が持続し、一般にロングCOVIDと呼ばれる状態を経験していることが示唆されています。

3年間の研究データから、ロングCOVIDに罹患した人は、罹患していない人に比べて、週当たりの欠勤率が有意に高いことが明らかになりました。

現在ロングCOVIDに罹患している参加者のほぼ半数は、最初の感染から3年以内にフルタイムの仕事に復帰していませんでした。

著者らは、この経済的負担は、医療費、失業、労働能力の限界による労働時間の減少、あるいは仕事の生産性の低下によるボーナスや昇給の減少などによって引き起こされる可能性があると指摘した。

ゴットリーブ氏は、ワクチン接種状況が労働能力低下率と経済的毒性スコアに明確な影響を与え、ワクチン接種を受けた患者は未接種患者と比較して顕著に良好な転帰を示したことを強調しました。

これは、同チームによる他の最近の研究結果とも一致しており、COVID-19ワクチン接種を受けた人々の身体的および精神的健康状態の改善も明らかにされています。

「私たちの研究全体を通して、ワクチン接種の有無は、症状の軽減と生活の質の顕著な向上に強く関連していることが示されました。COVID-19ワクチンは、私たちの身体的にも経済的にも、より健康を維持してくれました。」

Long COVID linked to lasting financial hardship and work disruption

While the economic impact of the COVID-19 pandemic continues to be widely studied and debated, the financial toll of the COVID-19 pandemic for individual patien...

www.news-medical.net

長期COVID-19罹患成人と罹患していない成人の就労障害と経済的 アウトカム
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2837447

要点
質問： COVID-19の長期罹患（LC）を自覚している人と、LCが解決した人、あるいはLCに罹患したことがない人では、長期的な経済的成果や仕事上の成果にどのような違いがあるのでしょうか。

結果： 3,663名を対象としたこのコホート研究では、初回感染から最大3年まで、慢性肝疾患（LC）を患っている参加者の経済状況と仕事の状況が悪化していました。COVID-19ワクチン接種は、仕事と経済状況の改善と関連していました。

意味 このコホート研究では、LC に関連する経済状況の悪化は SARS-CoV-2 感染後最大 3 年間持続するが、事前のワクチン接種によって軽減されることが判明しました。

結果 3,663人の参加者（平均[SD]年齢、40.2[14.2]歳、女性2,429[66.3%]）のうち、994人（27.1%）が現在LCを患っていると報告し、2,604人（71.1%）はLCを経験したことがなく、65人（1.8%）はLCが治癒したと報告した。

ワクチン接種を受けた参加者は、接種を受けなかった参加者と比較して、全体的な仕事の障害（aOR、0.71、95% CI、0.55-0.92）、仕事中の障害（aOR、0.66、95% CI、0.50-0.87）、仕事以外の活動の障害（aOR、0.74、95% CI、0.57-0.96）、および経済的毒性（最小二乗平均差、1.07、95% CI、0.19-1.95）が低かった。