全国の女子受刑者は約3700人。高齢化が急速に進む一方で、出所後に「再犯」ですぐに戻る受刑者も後を絶ちません。塀の中の女たちは何を語るのか。女子刑務所にカメラが入りました。
壁には非常ベルが付けられ、周囲では厳しい監視の目が光る。ここは200人が収容されている岩国刑務所。女子専用の施設だ。“塀の中の女達”の日々をカメラが追った。
平均刑期3年。犯罪は窃盗と覚醒剤でほぼ8割を占める生命犯、つまり人の命を奪った殺人罪の受刑者も1割近い。
刑務官「右を向くの。番号!」
受刑者「1,2,3,4」
高齢化が急速に進んでいて、最高齢は94歳。彼女は私達の取材中に出所したものの、2か月後、再び塀の中に戻ってきた。反省と後悔の言葉が空しく響く。
85歳・服役3回
「至れり尽くせり、食べさせてもらって、寝かせてもらって、お風呂に入れてもらって、最高じゃないですか」
15歳から覚醒剤を使用、“売人”を生業にしていた者もいる。
ーー(服役は)何回目ですか
50代後半・覚醒剤取締法違反
「9回。人生の半分いる。次きたら生きては出られないと思っている」
刑務官のほぼ7割を女性が占める。男性刑務官は女子受刑者との不要なトラブルを避ける為に“ウェアラブルカメラ”を付けている。
ーー気を遣いますか
男性刑務官
「男性受刑者と違った気の遣い方がある。ちょっとぶつかって、ちょっと当たったりしても『ごめん』で済まないこともあるでしょうし」
受刑者の食事は複数の幹部が“検食”する。
刑務官
「本日の献立は、鶏肉のごま焼き、ほうれん草のクリーム煮、オムレツチーズ」
“塀の外”から美容師が一般社会の香りを運んで来る。
ーー気持ちいいですか
受刑者「はい。2か月に1回だけなので。美容がある日は嬉しい」
岩国刑務所では約10人の無期懲役囚、つまり“死刑を免れた女達”が受刑生活を送っている。満期が来れば必ず出所できる有期刑の受刑者は、無期懲役囚をどのように見ているのだろうか。
20代・大麻取締法違反
「無期になって、刑務所で生活してたらここが全てになってしまう。(無期懲役刑に)向き合えるのかなと思う」
60代前半・判決懲役7年 殺人
「私だったらとても…無期って受け入れられるのかなっていう怖さもあります」
無期懲役囚達は世間を震撼させた事件を起こし、死刑と紙一重だった。Aは獄中に飛び込んでくる“死刑執行”のニュースに敏感だ。
40代後半・強盗殺人 無期懲役囚A
「ニュースが流れているのは知っているが、あまり見ないようにしている。ひょっとしたら死刑になっていたかもしれないと背筋がぞくっとすることもあった」
Bは服役して23年。仮釈放の審査が開始される時には90歳を超える。共犯は死刑判決後、既に獄死している。
全国の女子受刑者は約3700人。うち約90人が無期懲役囚だ。短い刑期の受刑者が次々に出所して行く一方で“死刑を免れた女達”の出口の見えない日々が続く。(抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6c4c702b5b66007c51fc17cc5f89b69aa85c3865
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