- 1 : 2024/03/01 21:04:00 ???
- 生物にとって当たり前の行動だったとしても、自然の中でその様子を目撃することは非常に困難な場合があります。
その一例がザトウクジラの交尾の様子です。
ザトウクジラはよく知られている生物のため意外に思う人もいるでしょうが、実はまだ彼らが交尾する様子が記録されたことはまだ一度もないのです。
しかし米ハワイに拠点を置くパシフィック・ホエール・ファウンデーション(PWF)はこのほど、2頭のザトウクジラによる交尾行動を世界で初めて撮影することに成功しました。
ただ、その記念すべき一例目は非常にイレギュラーなものだったようです。
なんと撮影されたザトウクジラはどちらもオスで、この交尾は同性同士の性行為だったのです。
研究の詳細は2024年2月27日付で科学雑誌『Marine Mammal Science』に掲載されています。
同性愛はヒトを含む霊長類の他、イルカやゾウ、カラス、ウシ、ウマなど、あらゆる動物グループで広く見られる行動です。
その目的は、社会的結びつきの強化、コロニー内における支配関係の確立、繁殖行動の練習、単純な性的快楽といったいくつかの説が提唱されています。
ザトウクジラについてはこれが初の目撃例であるため、どんな目的があるかは定かでありませんが、スタック氏は他の動物と同じような社会的機能を持つのではないかと考えています。
しかも今回の記録には、さらに驚くべき点があったようです。
この同性による交尾行動は、互いの同意のもとではなく、クジラBによる一方的な強制行為であった可能性が高いというのです。
スタック氏によると、ザトウクジラAとBの健康状態には明らかな差が確認できるといいます。
より体の大きなBは至って健康で、見た目にも目立った外傷や病気の兆候は認められていません。
しかしながらAの方は不健康にやせ細っており、体表面には寄生虫による感染が見られ、体全体の色も白っぽくくすんでいたのです。
また写真からも明らかですが、クジラA(下)は顎にひどい損傷を負っていました。
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https://nazology.net/archives/146340
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