「加熱式タバコ」など各国で規制される「タバコの香料」。なぜ日本だけ「野放し」なのか

フルーツ・フレーバーなど、タバコには香料を含め、多種多様な物質が添加されている。
これは加熱式タバコも例外ではなく、むしろフレーバーの種類は紙巻きタバコより多いくらいだ。
だが、ヨーロッパ各国はタバコ製品への香料使用を規制している。
なぜなのだろうか。
メンソールとは
タバコに加えられる味付けで、よく知られているのがメンソール（メントール）だ。
ちなみに、日本は全くの野放し状態（規制なし。葉タバコを使えさえすれば何を加えてもOK）だが、多くの欧米諸国ではメンソール以外の香料を紙巻きタバコに添加することは禁止されている。
ハッカやミントなどのハーブには、メンソールというアルコールの一種の有機化合物が含まれ、これが冷たい感覚（冷感）を引き起こす。
ヒトやマウスを含む哺乳類は、第2染色体にTRPM8という寒さを感知する受容体（伝達物質の受信機のようなもの）を持っていて、メンソールはTRPM8に作用してあたかも冷たさを感知したかのように錯覚させる（※1）。
だが、メンソール・タバコの喫煙者は禁煙しにくいことが知られ、この作用は女性でより強い傾向がある（※2）。
そして、これは加熱式タバコでも同様だ（※3）
なぜ、メンソール・タバコで禁煙しづらいのかといえば、脳内でニコチンの作用に影響をおよぼすからとかメンソールが血中のニコチン濃度を上げて中毒作用をより強めるからなどと考えられている（※4）。
また、メンソールは、タバコを吸い始る際の苦さやいがらっぽさ、刺激、咳き込みなどを和らげ、フルーツなどの香料は子どもを含めた若い世代に喫煙をより魅力的にうったえ、抵抗感を低めるといった役割を持つ。
そして、禁煙者が再びタバコに手を出しやすくするなど、持続的な喫煙を後押しし、禁煙を邪魔するためにも添加されている。
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https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b84622147c4ac34c8c1581b8dde07ad89282116f

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