斎藤知事ファンの70代女性「こんなきれいな目をした人が悪いことをしているように見えない」

　県議会事務局によると、本会議の傍聴席の記録はないが、担当者は「ここ十数年は満席になった記憶がない」と話す。傍聴席が２００席以上あった本会議場は、耐震強度不足で２０２３年６月から使用を見合わせており、今は７０席を確保できる県公館で開いている。

　最初に満席となったのは３月５日の本会議。県議会調査特別委員会（百条委員会）の報告書が賛成多数で了承された。その後の本会議は傍聴希望者が席数を上回る状況で、事務局は整理券を配り、保安員や職員の配置を増やして対応しているという。

　本会議はインターネットでも中継されているが、なぜわざわざ傍聴に訪れるのか。初めて来た神戸市長田区の女性（４１）は「子どもたちにどんな未来を残すのか考えたとき、斎藤さんの政策なしには成り立たない。斎藤さんが心をくじくことなく県民の前に立てる理由になれば」と話す。４回目の傍聴という同市中央区の７０代女性は「こんなきれいな目をした人が悪いことをしているように見えない。本来の力が発揮できるようエールを送っている」。

　知事に不信感を抱く人も多い。初めて訪れた同区の女性（３８）は「知事は責任逃れをしているようにしか思えず、どんな発言をするのか関心があった。ずっと県政が混乱している責任を取るべきだ」とする。同市東灘区の女性（８２）も「斎藤さんはリーダーとしてあり得ないと思う。全国の友達に兵庫で起きていることを伝えないといけないから」と理由を語る。

　本会議の前後には、こうした意見が対立となって鮮明になる場面も出ている。今月６日には県公館近くで、知事に向けて「辞めろ」コールが響き、議場では「はよ辞めろ」と言い放つ人も。応援する人たちは「辞めないでいいよ」「がんばって」と声をかけた。

　議会事務局は「会議終了後も議場での発言は謹んでもらいたい。終わったら速やかに退出してもらうのがルール」としている。

　一部で対立が深まっている状況について、４日の会見で責任を問われた斎藤知事は「さまざまなご指摘、ご批判は真摯に受け止めるということが大事」といつも通り答えた。（特集取材班）

斎藤知事問題で一変、兵庫県議会に傍聴者殺到　「はよ辞めろ」「がんばって」深まる意見対立

　兵庫県の告発文書問題を巡り、斎藤元彦知事の対応に注目が集まるなか、開会中の県議会定例会の本会議には連日、傍聴者が詰めかけている。近年は閑古鳥が鳴いていた本会議だが、今年３月以降は６回連続で満席に。知事を応援する人や不信感を抱く人らが入り交じり、本会議の前後では罵声が飛び交う異常事態となっている。

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